「農業」という複雑課題を、本質的にひも解く面白さ
「今、農業に求められるものとは?」
一筋縄ではいかない農業の問題へ取り組み続ける、その想いの源泉とは。</span></h5> <p><span></span></p>
畑は「日常」。気づかなかった真実。

こんにちは。オイシックス3年目、豊島有希(としまゆき)です。
私は、香川県丸亀市の片田舎で生まれました。
どれくらい田舎かというと、最寄りの駅まで歩いて2時間。(歩いたことないからもっとかかるかも笑)
家の周りは田んぼだらけ。
一人っ子で親が共働きだった私の、小さい頃の遊びといえば田んぼでおたまじゃくしをとったり、畑で青虫を捕まえたり。
となりのトトロのメイのような幼少期でした。笑
畑があることは、私にとって「日常」。実家が住宅業を営んでいたため、田んぼをつぶして家を建てるのもまた、「日常」でした。
『食』をつぶして、『住』が建つ。
その不自然な矛盾に気付くのは香川を離れてから3年後の話。
翻訳家志望、でも気づいたら「農業」。
高校3年生の時、翻訳家という職業に憧れました。
衝動的な想いだったように思いますが、自分の選んだ言葉に日本中の人が心動かされる、その影響力に惹かれたのだと思います。

しかし、外国語大学に入ってからすぐに、違和感。
毎日、英語のポエムの朗読を繰り返す中で、私が本当に伝えたいものはこれなのか、そもそも、伝えるだけで社会に大きな影響を与えることはできるのか。
英語はあくまで「ツール」であり本質的に解くべき問題を解決するためには「仕組み」を作る勉強をする必要があると感じ始め経営学部への編入を決めました。
私が農業に魅力を感じ始めたのは、その頃のことです。
当時、新しいビジネス分野として、農業は注目を浴びていました。大手企業が次々に農業事業への投資を行ったり、農業法人が設立されたりと、毎日ニュースになっていました。
それでも、大きな成功事例がないまま大手企業がどんどん事業撤退していくのを見て一気に、幼少時代に見てきた「消えゆく畑の惨状」とリンクしました。
そうじゃないんだ、これほどまでに生活に食い込んでいる問題をお金をいくらかけても、表面的に解いても解けるはずがないんだと。
「あ、これだ。この問題、解きたい。」
そう思いました。
根本的に解決しないと変わらない、面白さ。
やりたいことが農業だと気づいてからやることを色々考えました。
農家になろうか、産直のお店開けないかとか、結構迷走しましたが(笑)結局どれも「楽しい」で終わってしまいそうで本質的な課題解決にはならなさそうだと思いました。
では、農業を根本的に解決するには、どうしたらよいのか。
私は、『流通(販売)』『土地』『生産技術』『金融』の4つの分野の解決だと考え、その中で特に変わる可能性の大きい分野は、『流通』だと感じました。
今の農家さんの販路はほぼ、JAを通したもの。
しかし、自分たちで必死に販路開拓をしている若手農家さんを見て、JAだけに頼っていてはいつか、頭打ちしてしまうのではと思ったのです。
そんな時に出会ったのが今の会社、オイシックスでした。

流通から変える、農業の未来。
『流通』と一口に言っても色々ありますが、やっぱり私の中に大きくあったのは「影響力の大きさ」だったのでより多くの顧客にアプローチできるウェブ販売で面白い企業…と思っていた時にオイシックスを見つけました。
Amazonや楽天、らでぃっしゅぼーやなど他にも色々ありましたが、最終的には「本質的に課題を解決する」という社風に惹かれました。
そして実際この業界に入ってみて感じたのは、WEBマーケティングの面白さ、難しさ。特に、エンドユーザーであるお客様を深く理解することの必要性です。
農家さんと話していて、本当にみなさんがよくおっしゃるのは「お客様は何を求めているんだろう」「食べてみた感想はどうだったんだろう」という言葉です。

もちろん対面でお客様の声が聴けるのは店舗ですが、数十万人、いや数億人のユーザーの声を情報として蓄積できるのはWEBマーケティングの最大の強みだと思います。
畑でとれたものをより早く新鮮な状態で届けることが今までの流通業のゴールだったかもしれませんが、これからは、よりお客様のライフスタイルに触れ、求めているものに合わせてサービスを進化させていくことが求められていると思います。そして、それが今の農業に一番必要なものだと確信しています。

私の「正解」はこの道だと信じています。
しかし、いろんな「正解」を信じて走っている仲間がいます。
今、そんな異業種の仲間たちと一緒に毎月「NINAITE」という勉強会を開催しています。
いつか、この仲間たちと一緒に世の中を変えるような仕組みを作りたいと思っています。
